横浜市で太陽光や蓄電池の見積を取ると、決まって2つの質問をいただきます。市の制度でいくら戻ってくるのか。工事の日程をもう決めてしまったが、今からでも申請できるのか。

先にお答えします。横浜市の支援は、現金が振り込まれる補助金ではありません。 令和8年度(2026年度)の横浜グリーンエネルギーパートナーシップ事業(YGrEP)は、市の公式ページに「キャッシュレスポイント等の還元を行い」と書かれているとおり、ポイントまたは商品券で戻る制度です。そして、設置後の申請はできません。

金額は、太陽光が15,000円分/kW(上限4kW=60,000円分)、蓄電池が120,000円分/件。予算総額は2億2500万円で、先着順です。受付は令和8年12月25日まで(2026年9月30日時点)。

もうひとつ、横浜市にお住まいの方にとって大きい話があります。神奈川県の住宅用太陽光発電・蓄電池導入費補助金は、第1期・第2期とも受付を終了しました(2026年9月30日時点)。県の制度が閉じた今、横浜市内で使える太陽光・蓄電池の支援は、事実上このYGrEPが中心になります。

私は横浜市内でも太陽光と蓄電池の工事を請けています。この制度でいちばん多い取りこぼしは、金額の勘違いではなく順番の間違いです。この記事では、還元額の出し方、申請の順番、実際の見積で計算した例、そして落とし穴を順に説明します。

横浜市旭区の陸屋根に設置した太陽光パネル

横浜市旭区の陸屋根に設置した太陽光パネル

いくら還元されるのか

太陽光は15,000円分/kW・上限4kW、蓄電池は容量にかかわらず120,000円分/件です。 太陽光と蓄電池を同時に入れた場合、合計で最大180,000円分になります。容量が大きくても、太陽光は4kWで頭打ちです。

設備ごとの還元額

対象設備 還元額
太陽光発電設備 15,000円分/kW/件(上限4kW=60,000円分)
定置用蓄電池 120,000円分/件
エコキュート 20,000円分
電気自動車(太陽光あり) 100,000円分
電気自動車(太陽光なし) 50,000円分
燃料電池 30,000円分
太陽熱利用システム 50,000円分
V2H充放電設備 100,000円分

蓄電池は定額です。6.5kWhでも16.4kWhでも120,000円分で変わりません。ここは容量に単価を掛ける自治体と考え方が違うところです。

太陽光の端数の切り方

太陽光だけは計算に端数処理が入ります。利用規約には「公称最大出力の小数点第3位以下切り捨て、千円未満切り捨てとなります」とあります。

たとえば公称最大出力が3.965kWの場合。

3.965kW → 小数点第3位以下を切り捨て → 3.96kW
3.96kW × 15,000円 = 59,400円分
千円未満を切り捨て → 59,000円分

4kWちょうどに届かない構成では、この2回の切り捨てで千円単位の差が出ます。逆に4kWを超えていれば、何kW載せても60,000円分で固定です。

申請は1設備につき1回

利用規約に「対象設備一件につき、一回までの申請となります。導入世帯が同一の戸となる場合、申請者が別であっても、申請は一回までとなります」と書かれています。世帯単位での回数制限です。同じ家で名義を変えて2回、という使い方はできません。

現金は戻りません。ポイントか商品券です

YGrEPは補助金という名前の制度ではなく、キャッシュレスポイントまたは商品券で還元する事業です。 支払う工事代金がその場で減るわけではありません。工事代金は満額お支払いいただき、後日、選んだ方法で還元を受け取ります。

ここは見積書の書き方にも関わります。補助金であれば「実質負担額」という言い方ができますが、YGrEPは現金が戻らないため、私は見積の段階から「工事代金は変わりません。あとから18万円分が別の形で戻ります」とご説明しています。

還元の方法

利用規約では、ポイント(よこはまグリーンPay)または商品券(JCBギフトカード)から選ぶ形になっています。郵送で申請した場合は商品券のみです。

ポイントの交換期限は令和9年3月12日(金)。期限を過ぎた分はQUOカードPayに自動で交換されると規約に記載されています。

※ポイントを選んだ場合は、まず「よこはまグリーンPay」というポイントが交付され、それを各種キャッシュレスポイントに交換する仕組みです。交換先は特設サイトのよくある質問で、Amazonギフトカード、PayPayポイント、au PAY ギフトカード、dポイントなど9種類が案内されています(2026年9月19日時点)。

「補助金」という言葉で探すと、この制度にたどり着きにくい

横浜市の太陽光の支援を探して「横浜市 太陽光 補助金」で検索すると、制度そのものの名前が「補助金」ではないため、情報が散らばります。市の公式ページはYGrEPという事業名で掲載されています。

誰が対象になるのか

横浜市内に住民登録がある個人で、市内の自宅に設置する方が対象です。 事業期間中に横浜市民になる方も含まれます。ただし設備ごとに前提条件があり、太陽光も蓄電池も「単体では対象にならない」という条件が付いています。

太陽光の条件

項目 内容
前提 蓄電池、エコキュートまたは電気自動車・プラグインハイブリッド自動車を同時に設置するか、既に設置していること
対象外 買い替え・増設
製品要件 一般財団法人電気安全環境研究所(JET)等からの太陽電池モジュール認証を受けたもの
付帯要件 発電量・売電量が月別または累計で記録・表示できる装置を設置すること

太陽光だけを載せる工事は対象になりません。 蓄電池・エコキュート・EV/PHVのいずれかが必要です。すでにエコキュートをお使いのご家庭であれば、それで条件を満たします。

発電量の記録・表示装置というのは、HEMSや各メーカーのモニタリングアプリが該当します。最近の機種はほぼ標準で付いていますが、いちばん安い構成で組むとモニターが省かれていることがあるため、見積の段階で確認しています。

蓄電池の条件

項目 内容
前提 太陽光発電設備を同時に設置するか、既に設置していること
対象外 買い替え
製品要件 本年度の国の補助事業における補助対象機器として、申請時点で一般社団法人環境共創イニシアチブ(SII)により登録されているもの

蓄電池単体(太陽光なし)は対象外です。 既設の太陽光があれば後付けでも対象になります。

製品要件で注意が要るのは「申請時点で」という部分です。SIIの登録は年度ごとに更新され、型番の入れ替わりもあります。特設サイトには対象製品一覧のPDFが掲載されていて、テスラ、エリーパワー、オムロン ソーシアルソリューションズ、シャープ、スマートソーラー、ダイヤゼブラ電機、デルタ電子、ニチコン、パナソニック、ハンファジャパン、日本産業、京セラ、住友電気工業、長州産業など14社以上が並んでいます。

型番単位で載っているため、「このメーカーなら大丈夫」ではなく、ご提案する型番がその時点の一覧にあるかを見ます。私は申請の直前にもう一度一覧を開いて突き合わせています。

申請の手順と期限|設置後の申請はできません

参加・導入支援申請 → 着工 → 設置完了申請。この順番でなければ受け取れません。 市の公式ページに「設置後の申請はできません」と明記されています。工事が終わってから知って申請する、という使い方ができない制度です。

手順

  1. 参加・導入支援申請を出す(受付:令和8年6月15日〜12月25日)
  2. 申請を行った日の翌日から着工できます
  3. 工事・設置(設置期間:令和8年6月16日〜令和9年1月22日)
  4. 設置完了申請を出す(期限:令和9年1月22日)
  5. ポイントまたは商品券で還元

利用規約には「参加・導入支援申請を行った日の翌日から着工することができます」とあります。交付決定の通知を待つ必要はありませんが、申請した当日の着工も不可という書き方です。1日の差で対象から外れます。

期限

手続き 期間(2026年9月30日時点)
参加・導入支援申請 令和8年6月15日(月)〜令和8年12月25日(金)
設置期間 令和8年6月16日(火)〜令和9年1月22日(金)
設置完了申請 令和9年1月22日(金)まで

先着順です

市の公式ページには「先着順で受け付けます。期限を待たず予算額に達した場合には、その時点で終了」と書かれています。抽選ではありません。予算総額は2億2500万円です。

特設サイトには執行状況の進捗が%で公表されており、2026年9月16日更新と表示されています。ただし数値はページ上で描画される形式のため、本記事では具体的な残りの割合を記載できません。申請前に特設サイトでご自身で確認していただくのが確実です。

逆算するとどうなるか

12月25日が申請の締切ですが、締切に申請しても間に合うわけではありません。着工できるのは申請の翌日からで、設置完了申請の期限は令和9年1月22日です。12月末に申請して、年末年始を挟んで1月中に工事と完了申請を終える工程は、屋根工事が絡むと現実的ではありません。

私が横浜市内のお客様にご案内しているのは、現地調査からお申し込みまでを逆算した相談時期です。パネルの枚数と型番が決まらないと申請書が書けないため、設計と見積の時間が要ります。

私の見立てでは、11月中旬までに参加・導入支援申請を出せないと、期限内に終えるのは難しくなります。 12月25日の締切ではなく、11月中旬を実質の期限としてお考えください。

実際に計算してみます

YGrEPは定額と単価の組み合わせなので、計算そのものは単純です。 ただし工事代金は減りません。その前提で、弊社が実際にご提案している価格帯の中央値で2つ計算します。

ケース1:太陽光+蓄電池を新しく設置する

太陽光と蓄電池をまとめて入れる構成です。弊社の提案価格帯は213万〜450万円(税抜・本体+工事)で、中央値は288万円。この中央値で計算します。

【工事金額(例)】
 太陽光発電設備 5.0kW   1,090,000円
 蓄電池 12.7kWh      1,790,000円
 小計(税抜)       2,880,000円
 消費税           288,000円
 合計(税込)       3,168,000円

【YGrEPの還元額】
 太陽光 5.0kW → 上限4kW 4 × 15,000円 = 60,000円分
 蓄電池 定額              = 120,000円分
 還元額 合計              = 180,000円分

【お支払い額】
 3,168,000円(変わりません)
 → 工事後に 180,000円分 をポイントまたは商品券で受け取ります

太陽光を5.0kW載せても、還元の対象は4kWまでです。3kWの構成なら45,000円分、4kW以上はすべて60,000円分。還元額を増やす目的でパネルを増やす意味はありません。

ケース2:既設の太陽光に蓄電池だけ後付けする

すでに太陽光をお使いで、蓄電池を後から足す構成です。弊社の提案価格帯は100万〜239万円(税抜・本体+工事)、中央値157万円。

【工事金額(例)】
 蓄電池 9.8kWh(本体+工事) 1,570,000円
 小計(税抜)        1,570,000円
 消費税            157,000円
 合計(税込)        1,727,000円

【YGrEPの還元額】
 蓄電池 定額        = 120,000円分
 (太陽光は既設のため対象外。買い替え・増設は対象外)

【お支払い額】
 1,727,000円(変わりません)
 → 工事後に 120,000円分 をポイントまたは商品券で受け取ります

蓄電池は容量で金額が動きません。6.5kWhでも16.4kWhでも120,000円分です。還元額から容量を決めるのではなく、ご家庭の夜間の使用量から容量を決めて構いません。

なお、既設の太陽光の「買い替え」は対象外です。パワーコンディショナの寿命に合わせてパネルごと載せ替える工事を検討されている場合、太陽光の側は還元の対象になりません。

落とし穴

YGrEPで受け取れなくなる理由は、ほとんどが順番と期限です。 金額の計算ミスで揉めることはまずありません。

① すでに設置してしまった

いちばん多いのがこれです。市の公式ページに「設置後の申請はできません」と書かれています。工事が終わってから制度を知っても、さかのぼって申請することはできません。

② 申請した当日に着工してしまった

利用規約は「参加・導入支援申請を行った日の翌日から着工することができます」という書き方です。申請日当日は着工できません。 職人と足場の手配が先に動いていると、ここが噛み合わなくなります。

③ 太陽光だけ/蓄電池だけで組んでしまった

太陽光は「蓄電池、エコキュートまたは電気自動車・プラグインハイブリッド自動車を同時に設置するか既に設置していること」が前提。蓄電池は「太陽光発電設備を同時に設置するか既に設置していること」が前提です。どちらも単体では通りません。

④ 型番が対象製品一覧に載っていない

蓄電池は「申請時点」でSIIに登録されている機器が条件です。見積を取ってから申請までに時間が空くと、状況が変わっていることがあります。

⑤ 神奈川県の補助は、すでに受付が終わっています

2026年9月30日時点で、神奈川県の令和8年度住宅用太陽光発電・蓄電池導入費補助金は第1期・第2期とも受付を終了しています。 第1期は県公式ページに「受付は終了しました。」と掲示され、第2期は令和8年9月7日に電子申請の先着受付を開始したものの、同日付で「申請額が予算額に達したため、申請を締め切りました。」と掲示されました。あわせて令和8年度神奈川県自家消費型再生可能エネルギー導入費補助金も「申請額が予算額に到達したため、募集を締め切りました」とされています。いずれも第3期や追加募集の告知は、確認日時点で県公式ページに出ていません。今後の追加募集の有無は県公式ページでご確認ください。

併用について

市の公式ページには、神奈川県住宅用太陽光発電・蓄電池導入費補助金について「本事業と併用可能な補助制度」と書かれており、さらに「着工日が本事業への申請後となる場合は、併用可能」という条件が付いています。ここでも順番の話です。ただし上記のとおり、県の受付は終了しています。

市の「令和8年度既存住宅断熱改修補助制度」も併用可能と案内されています。国等の制度については「併用が認められる補助制度が国等で実施されていることがあります。制度の詳細や併用可否については、各補助制度の実施主体により異なります」という書き方で、一律に併用可とはされていません。相手方の制度の側で併用を認めていないことがあるため、そちらの要綱で確認が要ります。

施工事例

これまでの施工事例から、横浜市内のものをご紹介します。

横浜市旭区の陸屋根で置き基礎を据えている工事の様子

横浜市旭区の陸屋根で置き基礎を据えている工事の様子

横浜市泉区の案件では、切妻屋根にエクソル(XSOL)の太陽光6.52kWと、同じくエクソルの蓄電池15kWhを全負荷タイプで設置しました。蓄電池の置き場所は北面です。

横浜市泉区の住宅の北面に設置した蓄電池の屋外ユニット

横浜市泉区の住宅の北面に設置した蓄電池の屋外ユニット

既設の太陽光に蓄電池を後付けする場合、私は既設のパワーコンディショナの設置年数を目安にしています。設置から5年以内なら既設を残して単機能型を、10年前後ならハイブリッド型への入れ替えをご提案します。そのうえで、単機能型とハイブリッド型それぞれの良い点・悪い点をご説明し、お客様のご要望に合わせて決めています。

切妻屋根のパネル全景(神奈川県横浜市泉区)

切妻屋根のパネル全景(神奈川県横浜市泉区)

よくある質問

Q. 横浜市の太陽光の補助金はいくらですか。

A. 現金の補助金ではなく、ポイントまたは商品券での還元です。太陽光は15,000円分/kW、上限4kWで最大60,000円分。蓄電池は容量にかかわらず120,000円分/件です。

Q. もう設置してしまいました。今から申請できますか。

A. できません。市の公式ページに「設置後の申請はできません」と書かれています。参加・導入支援申請、着工、設置完了申請の順に進める必要があります。

Q. 太陽光だけの設置でも対象になりますか。

A. なりません。蓄電池、エコキュートまたは電気自動車・プラグインハイブリッド自動車を、同時に設置するか既に設置していることが前提です。

Q. 蓄電池の容量を大きくすれば、還元額も増えますか。

A. 増えません。定額で120,000円分です。容量は夜間の使用量と停電時にどこまで使いたいかで決めていただいて問題ありません。

Q. 神奈川県の補助金と両方使えますか。

A. 市の公式ページでは「着工日が本事業への申請後となる場合は、併用可能」とされています。ただし2026年9月30日時点で、神奈川県の住宅用太陽光発電・蓄電池導入費補助金は第1期・第2期とも受付を終了しています。

施工するのは誰か

弊社は神奈川県川崎市多摩区に拠点を置き、神奈川県全域と東京都全域で太陽光発電・蓄電池・V2H・屋根改修を施工しています。第二種電気工事士および各メーカーの施工IDを保有し、設計から施工、申請の書類づくりまで自社で対応しています。屋根の状態の確認にはドローン点検を自社で実施しており、国土交通省東京航空局の承認を受けています。

YGrEPは、工程の組み方そのものが対象・対象外を分ける制度です。私は申請日と着工日の関係を先に押さえてから、足場と職人の手配に入るようにしています。

お見積り・ご相談

横浜市で太陽光や蓄電池をご検討中で、YGrEPの申請の順番に不安がある方は、工事の日程を決める前にご相談ください。現地調査の上で、設備の構成と申請の進め方を合わせてご案内いたします。

ご相談はお問い合わせフォームから承っています。

監修:株式会社Sunkiss
国土交通省東京航空局承認企業(東空運航第47647号)
第二種電気工事士/各メーカー施工ID保有
神奈川県川崎市多摩区生田1-6-3 TEL 0120-252-334
神奈川県・東京都で太陽光発電、蓄電池、屋根改修工事を施工

この記事の出典

本記事に記載した数字・仕様・制度の内容は、下記の公表資料から取得しています(2026年9月時点で確認)。

官公庁・公的機関

制度の執行団体

※記載の金額はあくまで参考価格です。
実際の費用は、お客様ごとの現場状況、機器の仕入価格、工事の難易度、
太陽光の搭載容量・蓄電池の容量によって工事費が変わるため、金額は一件ごとに異なります。
正確な金額は現地調査の上でご案内いたします。

※本記事は2026年9月時点で公表されている制度内容に基づく試算です。
国・自治体それぞれの審査により正式な交付額が確定するため、金額が変動する可能性があります。

※どの制度も予算上限に達し次第受付終了となります。申請前に最新の受付状況をご確認ください。

※この記事の金額は、補助金の計算方法を説明するための一例です。
弊社の販売価格を示すものではありません。
設備の構成、屋根の形状や向き、既存の電気設備、メーカー、同じ容量でも金額が上下しますので、詳しい金額が知りたい方はお見積り依頼をお願いいたします。

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