V2H補助金ガイド 2026

東京都のV2H補助金は国と併用できる
2026年の申請期限と実質負担の出し方を施工店が解説

国の受付 2026.7.17 開始・先着順東京都は 2027.3.31 まで併用可

V2Hを検討して見積を取ると、必ず出てくる疑問が2つあります。
国と東京都の補助金は両方使えるのか。
使えるとして、結局いくら払うことになるのか。

結論

国と東京都のV2H補助金は併用できます。
ただし単純な足し算ではありません。
東京都は「補助対象経費から国の補助額を差し引いた残り」に補助率をかけて算出します。
この順序を間違えると、金額が合いません。

国のV2H補助金は、2026年7月17日に交付申請の受付が始まりました。受付は9月30日17時まで、先着順です。
東京都は2027年3月31日まで事前申込を受け付けています。

この記事では、それぞれの計算方法と、両方を使ったときに実質いくらになるのかを、順を追って説明します。

いくら戻ってくるのか

国と東京都を合わせると、V2Hの費用の大部分が補助でまかなえる場合があります。
ただし金額は機器と工事費によって変わります。定額ではありません。

計算は必ずこの順番で進みます。

  1. 国の補助額を出す(機器費と工事費を別々に計算する)
  2. 補助対象経費から国の補助額を差し引く
  3. 差し引いた残りに、東京都の補助率をかける

逆にすると答えが変わります。東京都の手引きにも、控除してから上限を適用すると明記されています。

国のV2H補助金|機器費は半額、工事費は項目ごとに上限がある

国の補助は、機器費と工事費で計算方法が違います。
機器費は購入価格の2分の1、工事費は項目ごとの上限内で実費です。

機器費

購入価格(税抜)の2分の1。ただし機種ごとに上限額が決まっています。

たとえばニチコンのVSG3-666CN7ASであれば、上限は64万円です。
同じメーカーでも機種によって44万9千円から75万円まで幅があります。
ご検討中の機種がどれに当たるかは、見積書の型式でご確認ください。

工事費

上限は55万円ですが、「工事費なら何でも55万円まで出る」わけではありません。
項目ごとに上限が決まっています。

工事項目上限
基礎工事35,000円
据付工事80,000円
搬入費15,000円
電気関連工事300,000円
諸費用120,000円
合計550,000円

実費と項目別上限の、どちらか低いほうが補助対象。機器費・工事費とも千円未満は切り捨て。

ここは見積書の内訳の切り方で結果が変わるところです。
私が見積を作るときは、工事の中身をこの項目に沿って分けています。
総額が同じでも、内訳の書き方で補助額が変わってしまうためです。

東京都のV2H補助金|国の補助額を引いた「残り」に補助率をかける

東京都は、補助対象経費から国などの補助額を差し引いた金額に、補助率をかけて算出します。
ここが国とまったく違う点です。

  • 通常:2分の1、上限50万円
  • 増額:10分の10、上限100万円

補助対象経費は、機器費と工事費の合計(税抜)です。千円未満は切り捨て。
控除は上限を適用する前に行います。

つまり、国の補助を多く受けるほど、都の補助対象になる残額は小さくなります。
片方だけを見て「国で90万、都で100万、合わせて190万」と計算すると、実際とは合いません。

実際に計算してみる

わかりやすいように、機器費80万円・工事費20万円(いずれも税抜)のモデルケースで計算します。
太陽光を設置済みで、EVをお持ちの場合です。

工事金額

機器費800,000円
工事費200,000円
小計(税抜)1,000,000円
消費税100,000円
合計(税込)1,100,000円

国の補助金

機器費補助 800,000 × 1/2(型式別上限64万円の範囲内)400,000円
工事費補助 項目別上限の範囲内・実費200,000円
国の補助金 合計600,000円

東京都の補助金

補助対象経費 1,000,000円 − 国の補助額 600,000円400,000円
400,000 × 10/10(上限100万円の範囲内)400,000円
実質のご負担額100,000円

税込110万円の工事が、実質10万円程度になる計算です。

ただし、この金額がそのまま当てはまるわけではありません。
機器費が上がれば国の補助も増えますが、機種ごとの上限に当たれば頭打ちになります。
頭打ちになった分は都の補助対象の残額に回るため、全体としては大きく崩れません。
逆に機器費を下げると、国の補助も半分の額しか下がらないため、実質負担はかえって増えることがあります。

金額を1つ覚えるより、計算の順番を覚えていただくほうが役に立ちます。

増額(10分の10)の条件

東京都の増額を受けるには、太陽光発電とEV・PHVの両方が必要です。
どちらか一方では通常の2分の1・上限50万円になります。

  • 太陽光発電設備:既設で構いません。 50kW未満であること
  • EV・PHV:車検証が必要です。 中古車でも、すでにお持ちの車でも対象になります

納車待ちの場合は、国の補助は「発注済み」で申請できますが、都の増額は車検証が必要なため、通常額での申請となります。
納車後に増額へ切り替えられます。

なお、増額を受けた場合は要件を維持する義務があり、処分制限期間は6年です(国は5年)。

対象は戸建住宅に限られます。
登記簿で確認され、二世帯住宅は対象外です。

対応するEV車種|「CHAdeMOが付いている」だけでは使えません

V2Hで使えるかどうかは、機器メーカーが公表している対応車種一覧で決まります。
充電用のCHAdeMOポートが付いていることと、家に給電できることは別の話です。
車から外へ電気を出すには、車両側に外部給電の機能が必要になります。

同じメーカーの機器でも、対応車種は同じではありません

ニチコンを例にします。
V2H単体の「EVパワー・ステーション」と、蓄電池と組み合わせるトライブリッド用の「V2Hスタンド」では、対応車種一覧の中身が違います。

車種EVパワー・ステーションV2Hスタンド(トライブリッド用)
日産 クリッパーEV掲載あり掲載なし
トヨタ MIRAI/クラウンセダン FCEV掲載あり掲載なし
トヨタ ES(各モデル)掲載あり掲載なし
ホンダ Super-ONE/CR-V e:FCEV掲載あり掲載なし
メルセデス・ベンツ S 580 e掲載あり掲載なし
メルセデス・ベンツ EQA/EQB掲載なし掲載あり
メルセデス・ベンツ EQS SUV/EQE SUV掲載なし掲載あり
メルセデス・ベンツ E 53 HYBRID Sedan掲載なし掲載あり

(ニチコン公式サイト・2026年6月現在。メーカーによって一覧の更新時点が異なります)

片方だけに載っている車種が、両方向にあります。
「ニチコンなら大丈夫」ではなく、機種を決めたうえで、その機種の一覧で確認する必要があります。
私が見積を作るときは、先にお客様の車種を伺い、ご提案する機種の一覧と突き合わせてから型式を決めています。

東京都国分寺市の施工事例(機器の設置例)

施工事例:東京都国分寺市(機器の設置例)

主な対応車種(ニチコン EVパワー・ステーション/2026年6月現在)

メーカー車種
日産リーフ、e-NV200、アリア、サクラ、クリッパーEV
三菱eKクロス EV、エクリプスクロス(PHEV)、アウトランダー(PHEV)、ミニキャブ EV、i-MiEV、ミニキャブ・ミーブ バン/トラック
トヨタプリウスPHV、クラウン SPORT RS、クラウン エステート RS、アルファードPHEV、ヴェルファイアPHEV、RAV4シリーズ、bZ4X、RZ各モデル、ES各モデル、UX300e、MIRAI、クラウンセダンFCEV
ホンダHonda e、N-VAN e、N-ONE e、Super-ONE、CR-V e:FCEV
スバルソルテラ、トレイルシーカー
マツダMX-30 EV MODEL/ROTARY-EV、CX-60 PHEV、CX-80 PHEV
スズキe ビターラ
ヒョンデKONA、INSTER
BYDATTO 3、SEALION 7、SEALION 6、DOLPHIN
メルセデス・ベンツEQS、EQE、S 580 e、GLC 350 e、C 350 e、E 350 e

補助金の側に、もうひとつ落とし穴があります

FCEV(燃料電池車)は、国のV2H補助金の対象になりません。

ニチコンのEVパワー・ステーションは、MIRAIやクラウンセダンFCEV、CR-V e:FCEVに対応しています。機器としては給電できます。
ところが国の補助金は、保有している車をEV・PHVと定めており、FCEVはその定義に含まれていません。

機器は使えるのに、補助金は使えない。 ここは車種一覧だけを見ていると見落とします。

テスラは使えますか

現時点では使えません。
テスラのモデルS/X/3/Yには外部給電の機能が搭載されておらず、国内のV2H機器の対応車種一覧にも掲載がありません。

V2H・V2L・V2G は別のものです

似た言葉が並びますが、中身が違います。

  • V2H(Vehicle to Home)… 車から家へ給電します。分電盤につなぐため、家全体で電気が使えます。この記事の補助金の対象はこれです
  • V2L(Vehicle to Load)… 車から家電へ直接給電します。コンセント単位なので、家全体をまかなうことはできません。車両側の機能で完結し、V2H機器は使いません
  • V2G(Vehicle to Grid)… 車から電力系統へ電気を戻す仕組みです。日本では実証段階で、一般のご家庭向けには提供されていません

一覧は更新されます

対応車種一覧は、車種の追加や変更が随時あります。
ご契約前に、その時点の最新の一覧で必ずご確認ください。
弊社でも、機種を決める前に毎回確認しています。

申請の手順と期限

どちらも、契約や工事を始める前に手続きが必要です。
ここが一番の落とし穴です。

  1. 東京都に事前申込をする(原則、契約前)
  2. 国に交付申請をする(交付決定前の発注・着工は対象外)
  3. 交付決定を受けてから、契約・発注・着工
  4. 工事完了
  5. 国へ実績報告(2027年1月29日まで)
  6. 東京都へ交付申請(事前申込から1年以内、最終期限2028年9月29日)

期限

制度期間
国(交付申請)2026年7月17日〜9月30日17時/先着順
東京都(事前申込)2026年5月29日〜2027年3月31日17時

国は先着順です。予算に達した時点で締め切られます。

弊社では、この事前申込と交付申請の代行を承っています。
書類のご準備だけご協力をお願いしています。

よくある質問

国と東京都、両方申請しても問題ありませんか。

問題ありません。
併用が前提の制度設計になっており、東京都の算定式に国の補助額を差し引く項目が組み込まれています。

すでに太陽光を設置していますが、増額の対象になりますか。

なります。既設の太陽光で構いません。50kW未満であることが条件です。

EVがまだ納車されていません。申請できますか。

国は発注済みであれば申請できます。
東京都の増額は車検証が必要なため、この時点では通常額での申請になります。
納車後に増額へ切り替えが可能です。

FCEV(燃料電池車)は対象になりますか。

国のV2H補助金の対象外です。
機器としては給電できる機種がありますが、補助金は保有車をEV・PHVと定めているため、FCEVは含まれません。

CHAdeMOのポートが付いていれば、どのV2Hでも使えますか。

使えません。
車から外へ電気を出すには車両側の外部給電機能が必要で、対応の可否は機器メーカーが公表する対応車種一覧で決まります。
同じメーカーでも機種によって一覧の中身が違います。

テスラでV2Hは使えますか。

現時点では使えません。
モデルS/X/3/Yに外部給電機能がなく、国内のV2H機器の対応車種一覧にも掲載がありません。

契約してから申請しても間に合いますか。

原則として間に合いません。
国は交付決定前の発注・着工が対象外、東京都も原則として契約前の事前申込が必要です。
ご検討の段階でご相談ください。

瑕疵保険の費用は補助対象ですか。

東京都では対象外です。

施工するのは誰か

弊社は神奈川県川崎市に拠点を置き、神奈川県全域と東京都全域で、太陽光発電・蓄電池・V2H・屋根改修を施工しています。
第二種電気工事士および各メーカーの施工IDを保有し、設計から施工、補助金の申請代行まで自社で対応しています。

V2Hは、設置場所と分電盤の位置、配線ルートによって工事の内容が変わります。
壁の材質や強度によっては下地補強が必要になることもあります。
弊社は補助金の項目別上限に正しく収めるため、現場調査で確認してから工事費の内訳を組み立てております。

東京都国分寺市の施工事例(屋根の架台設置工事)

屋根の架台設置工事。配線ルートまで自社で設計します(東京都国分寺市)

東京都国分寺市の施工事例(ドローンによる完成確認)

ドローンで施工前後の屋根を確認しています(東京都国分寺市)

ご相談ください

補助金を使ってV2Hをご検討中の方は、お気軽にご連絡ください。
現地調査の上で、お客様の条件に合わせた金額と、実際に受けられる補助金額をご案内いたします。

0120-252-334受付時間 10:00〜18:00|株式会社Sunkiss

※記載の金額はあくまで参考価格です。実際の費用は、お客様ごとの現場状況、機器の仕入価格、工事の難易度、太陽光の搭載容量・蓄電池の容量によって工事費が変わるため、金額は一件ごとに異なります。正確な金額は現地調査の上でご案内いたします。

※本記事は2026年7月時点で公表されている制度内容に基づく試算です。国・東京都それぞれの審査により正式な交付額が確定するため、金額が変動する可能性があります。

※どちらの制度も予算上限に達し次第、受付終了となります。申請前に最新の受付状況をご確認ください。

監修
株式会社Sunkiss
国土交通省東京航空局承認企業(東空運航第47647号)
第二種電気工事士/各メーカー施工ID保有
神奈川県川崎市多摩区生田1-6-3 TEL 0120-252-334
神奈川県・東京都で太陽光発電、蓄電池、屋根改修工事を施工